ところで皆さんは三重県を愛しているだろうか。
僕は愛している。
三重で生まれ、三重で育ち、そして三重で死んでいく。
都会への憧れは全く無い。
地元 is the best.
しかし、三重出身か否かに関わらず、お前達は三重を存分に味わって無さすぎる。
これは三重の観光大使として放っておけない。
「日本を知りたければ三重を知れ」とはよく言ったものである。
西側は山、東側は海に面し、自然豊かな離島もある。
リアス式海岸に三瀬谷ダム、世界遺産の熊野古道に石垣が有名な伊賀上野城。
また、伊勢海老や的矢牡蠣に代表される海の幸に、松阪牛や伊賀牛、熊野地鶏などの上質な肉。
まさに日本を語るに欠かせない要素が、三重には揃っている。
不思議なことに三重から都会に出ていった者ほど三重を悪く言う。
これは田舎ならどこも同じでは無いかと思う。
上京が悪いことだとは微塵も思わないが、地元を下げることでしか都会を上げられないのならお前の上京に価値などありはしない。
流行りのデザートの専門店に高級ブランド店、デカいビル。
それらは確かに生活を豊かに見せてくれるだろうが、クオリティ・オブ・ライフがそんな程度のもので潤うなら甚だ惨めなものである。
さて、そんな三重を僕は人生を捧げて楽しんでいるわけだが、他県にお住まいの読者の皆様はそう悠長に見て回っている時間もあるまい。
そんなわけで、この僕が直々に「忙しいお前のための日帰り三重観光ツアー」をお届けする。
この通りに回れば、必ず三重を楽しめる。
事前に断っておくと、このツアーはかなりニッチな三重ツアーである。
つまり、4,5度目の訪問で、もうやる事ないよ!という奴向けだ。
初めて来る奴が実施しても構わないが、流石にそれなら「三重 観光」でググって出てくるようなところに行った方が良い。
それからもう一つ。
このツアーはかなり忙しい。
「忙しいお前のための」と銘打っておきながらだが、日帰りで済ませるにはこれしかない。
これを二日に分けるのでは意味がない。
何故ならじっくり時間をかけるような場所はないからだ。
では、前置きが長くなったが、ツアー内容を説明していこう。
出発は各々に任せる。
移動には車を使うので、自家用車がなければレンタカーを活用してもらいたい。
〜9:00 VISON着(省略可)
VISONとは、2021年に多気町にオープンした商業リゾート施設である。
入ってる店はほとんど10時以降開店なので、ここはどうしても巡った場所の数で勝負したい場合でなければ省略してもいいだろう。
9:50 VISON発
→ 10:00 五桂池ふるさと村着
VISONから車で僅か10分のところに、動物とふれあえる小さな施設がある。
昔は観覧車があり、ゾウがいる小さな動物園だったが、今はお世辞にも動物園と言える規模ではない。
しかし、ここでは少しでも聞こえを立派にするために、あえて動物園と呼ぶことにする。
規模は小さいといえども、ヤギ、ヒツジ、ウサギやポニーだけでなく、ダチョウやカラカルなど50種類近くの動物と出会うことが出来る。
キリンやライオンなんかは居ない。
そこまでの期待はしちゃいけない。
なのに入場料は東山動物園の倍の1000円(大人)という強気な設定。
動物を支えるために、是非払ってほしい。
こんなところには30分もいれば十分であるので、次の場所に移動する。
10:40 五桂池ふるさと村発
→ 11:10 二見興玉神社着
動物園から高速道路で30分。
二見興玉神社に到着である。
ここには写真の「夫婦岩」と呼ばれるパワースポットがある。
日の出が有名なのだが、そんなことを言ってはいられない。
こちらは一刻を争うのだ。
10分でお参りを済ませて、隣の施設に向かう。
11:30 二見興玉神社発
→12:40 伊勢シーパラダイス着
徒歩で伊勢シーパラダイスに到着だ。
なぜこの間に1時間も空けてあるかというと、この間に二見興玉神社→伊勢シーパラダイスを結ぶ「伊勢夫婦岩ショッピングプラザ」で昼食を済ませるからだ。
クオリティはサービスエリアと変わらず、さほど美味い訳でもないので、別に時間をかけて店を選ぶ必要はない。
一番空いてる店に入ったらいい。
そして伊勢シーパラダイスである。
写真でわかる通り、かなり寂れている。
客はいない。
三重には「鳥羽水族館」という全国に誇る見事な水族館があるが、あえてそこでなくこちらをチョイスしたのには理由がある。
一つ目は、隣に夫婦岩があるから。
二つ目は、空いているから。
以上だ。
見どころは、自分で(気まぐれに)ボール遊びするイルカと、カワウソ総選挙なるものでトップに立ったあざといカワウソ。
入ってみると意外にちゃんと水族館である。
それなのに何故この写真をチョイスしたかというと、これが一番どういう水族館か伝わると思ったからだ。
こちらも、1時間もあれば一周できる。
鳥羽水族館と違って、雑に観ても良いという安心感がある。
入館料は大人1人2100円。
鳥羽水族館の3/4の額なので、まだわきまえた額だと言える。
13:45 伊勢シーパラダイス発
→ 14:15 志摩スペイン村着
遂にやってきたメインディッシュ。
志摩スペイン村である。
写真のキャラクターたちは、生粋の三重県民でも2,3人しか名前を覚えてない。
カエルと牛は本当に誰だよ。
せっかくのテーマパークなんだから、1日遊び倒したい!という人もいるだろう。
そんな必要はない。
五桂池ふるさと村や伊勢シーパラダイス同様、志摩スペイン村にも客はいない。
アトラクションなど乗り放題である。
某大人気テーマパークのファストパスやアトラクション毎の予約システムなど不要なのだ。
三重には世界的に有名なカーレースの聖地、鈴鹿サーキットや、アウトレットやジャンボ海水プールもついた長島スパーランドがあるが、そんな場所は無視。
何故なら、五桂池からシーパラに向かうと逆方向になるし、そもそも半日以下で楽しむには勿体無いからである。
スペイン村はその点お得だ。
半日だろうが全く問題ない。
しかも14時過ぎ着という時間設定にも意図がある。
志摩スペイン村はナイター営業日以外なら、14時からの入場料が安くなるのだ。
通常5,400円の1Dayパスポートが、14時以降だとアフターヌーンパスで2,400円になる。
半額以下である。
ここで17時までしっかり遊んで(2時間もあれば十分遊べます)、閉園時間に出る。
それでは最後のスポットへ向かおう。
17:00 ひまわりの湯着
志摩スペイン村には温泉施設が付いてる。
ここで旅の疲れを癒やして、帰りの運転に備えようではないか。
通常1,200円の利用料がかかるが、志摩スペイン村のパスポートを見せる事で900円で利用することができる。
18:00 ひまわりの湯発
→ 帰宅
さて、それでは最後におさらいである。
(VISON 入場無料)
五桂池ふるさと村 1,000円
二見興玉神社 入場無料
伊勢シーパラダイス 2,100円
志摩スペイン村 2,400円
ひまわりの湯 900円
VISONも含めてカウントすると、1日に6つの施設を巡ることができ、なんとその入場料の合計は6,400円。
ちなみにUSJの1Dayパスは8,400円、TDLは7,900円である。
しかもお気づきだろうか。
このツアー、1日に動物園、水族館、遊園地を制覇する夢の行程なのである。
さらにそこにショッピングや観光スポット、温泉まで付いてくる。
まさに「忙しいお前のための三重観光ツアー」である。
そもそも五桂池もシーパラもスペイン村も、せかせか回った方が楽しめるくらいのエンターテイメントスポットだ。
同情とイイネをガソリンにして走るSNS中毒者共には余裕のないスケジュールの方が丁度いいだろう。
ニッチな三重を楽しみたくなったら是非実践してくれたら良いと思う。
僕はUSJに行く。
都会、サイコー。